導入したローコード開発ソフトウェアに思わぬ落とし穴が…
メインフレームのオープン化に伴う、基幹システムプラットフォームの刷新
電子部品商社 Q社 情報システム部
背景
使用していたメインフレームの販売・サポート終了がメーカーからアナウンスされ、基幹システムのモダナイゼーションに取り組むことになったQ社。定評のあるローコード開発ソフトウェアを導入し短期間でテスト段階まで漕ぎつけたが、試用テストを依頼した部署からは多くの不満や要望が上がっていた。
課題
新システムで変更された操作画面が原因で効率低下、しかし旧システムの再現は困難で…
不満や要望は、主に販売管理や在庫管理などを行う現場の管理部署から上がってきていました。まず、新システムでは、操作画面が旧システムから大幅に変更されていたのですが、従来と入力する項目は同じでも、レイアウト、入力方法や順番、レスポンスタイムなどの操作性が変わっていました。そのため、入力ミスが多発、また入力時間も旧システムより余計にかかるようになったというのです。
管理部署の多くは、旧システムと同じ画面と操作性を求めていることがわかりました。そこで、情報システム部は、導入したローコード開発ソフトウェアを用いて、従来の画面や操作性(UI)を再現しようとしたのです。
情報システム部のE氏はこう振り返ります。
「しかし、思うようには進みませんでした。ローコード開発ソフトはサーバサイドが主体のため、クライアント(PC)上の画面レイアウトや操作性などのきめ細かい部分を作りこむことにはあまり向いていませんでした。それでもできる範囲でUIを改良してはみたのですが…」
再度試用テストを実施しましたが、現場の管理部署が満足するものにはできず、開発は行き詰まってしまいました。
課題のポイント
- 新システムではPC上のUIが大幅に変更され、ユーザー部署では入力の効率が悪化した
- 新システムでも旧システムと同じUIを再現してほしいという要望が強かった
- ローコード開発ソフトはサーバサイドが主体のため、システム利用者にとって使いやすい画面はなかなか作れない