スマホのOSバージョンアップからアプリに不具合が発生
改修がなかなか進まない事態を打開できた解決策とは?
電子部品メーカー O社 情報システム部
背景
基幹システムの生産/在庫/販売などの各種情報を、生産現場や営業がスマホで確認できるシステムを運用しているO社。しかし、稼働開始時からたびたびスマホ上のアプリが起動しないなどの問題が発生しており、運用に支障が出ていた。
課題
スマホアプリがOSバージョンアップにすぐに対応できない…
当時対応にあたったO社情報システム部のH氏は、当時のことをこう振り返りました。
「不具合によるトラブルは、スマホのOSがバージョンアップされた際に起きていたのです。しかし、問題箇所の調査および対策は困難でした」
スマホ上のアプリは、基幹システムを開発した外部ベンダーに委託して開発したものでした。ベンダーはネイティブとWebのハイブリットの開発環境でアプリを開発していたのですが、スマホのOSがバージョンアップすると、アプリに影響する箇所が改変される場合があり、その際アプリが起動しなくなったり異常動作を起こしたりしていました。
このような事態が起きた際、H氏はベンダーに対して、早急に問題箇所を調査・特定の上、OSバージョンアップに対応してアプリを改修するように依頼していました。しかし、開発環境がネイティブとWebのハイブリッドであるため調査範囲が広範囲にわたること、問題箇所の特定と対策に時間がかかることを理由に、なかなか対応してもらうことができませんでした。そして昨今のエンジニアのリソース不足もあり、改修が終わるまで2か月以上かかることもあったのです。
「やむを得ず、現場にはスマホの設定でOSバージョンアップを自動から手動に切り替えて、アプリが対応するまでバージョンアップしないように徹底しました。とはいえ、OSと紐づいたソフトウェアや機能に影響が出るため、長期間旧バージョンを使い続けることも、それはそれで問題でした」(H氏)
H氏としては、ベンダーとはスマホアプリの機能アップについて相談したいと思っていましたが、ベンダー側は他社ともOSバージョンアップ対応を抱えて手一杯で、そこまで手が回らなかったのです。
課題のポイント
- スマホアプリがOSバージョンアップの際、起動不良や異常動作を起こしていた
- アプリを開発したベンダーは開発環境の複雑さのため、調査とアプリの改修に2か月以上かかることもあった