背景

条鋼からばねを加工しているC社では、条鋼ロールを屋外で保管していたが、昨今の金属の値上がりから鋼材についても盗難が増えてきたため、材料の在庫管理を強化した。すると作業員から作業量が急に増えたことに対する不満の声が上がり、C社では改善に取り組むことになった。

 

課題

印字やタグ付けができない原材料を、どのようにシステムで管理すれば…

C社が抱えている原材料の在庫管理における課題は、以下のようなものでした。

在庫管理の精度を上げるため、日に何度も在庫の個数を確認したり、入庫数と出庫数の資料に照らして二重チェックを行ったりで、作業工数が増えていました。また在庫情報を管理部の部員がエクセルに入力していたのですが、人により作業時間や正確さが違っていたことも課題でした。

　

情報システム部で在庫管理のシステム化プロジェクトを任されたF氏は、こう語りました。

「本来は、原材料の条鋼ロールを1個ずつ個体管理したいのです。しかし、材料が屋外にあり、またロールのまま製造ラインに投入されるため、ロールに印字やタグ付けをすることが困難なのです」

　

F氏は在庫管理をシステム化する方策について、複数の業者に相談しました。しかしどの業者の提案も、現在の材料の在庫管理方法を大幅に変更するもので、多額の費用とシステム開発期間が必要でした。
　

現行の在庫管理方法をなるべく変えず、低コスト・短期間でシステム化する方法はないものかと、F氏らプロジェクトメンバーは頭を悩ませていました。

　
　

この課題を解決した方法とは？