製造現場における人の動きを可視化し、併せて入力ミスや作業工数を減らしたい…
既存生産管理システムと連携し、短期間でデジタル化を実現した可視化ソリューションとは
電器メーカー R社 生産管理部
背景
10年前に生産管理システムを導入したR社。製造現場においては、まだ作業指示書などの紙文化が残っていた。生産管理部では、生産性の向上のためにも紙からの脱却を図りたいと考えていた。
課題
作業指示書や日報をデジタル化したい しかし生産管理システムには手を付けられず…
R社の製造現場では、生産管理システムから作業指示書が紙で出力され、それを各作業員が受け取って作業を開始、一日の終わりに実際の作業の開始/終了時間を日報に書いて報告していました。各作業員の日報は翌日生産管理部のリーダー又は事務スタッフがシステムに入力し、工程ごとの工数の集計結果が出力されます。それを現場の掲示板に張り出すことで共有していました。
しかし、作業員が作業開始時に時刻を書き忘れて終了のタイミングでおよその時刻を記入するなど正確な工数が報告されなかったり、手書きの日報からシステムに入力する際の読み間違いや入力ミスも起きたりしていました。
また、急に別の作業現場からサポートを頼まれた、機械トラブルに対応した、というような予定外の作業が発生することもありましたが、それらは日報に記載されませんでした。さらに、工数の入力、集計が翌日になるため、作業の進捗状況がリアルタイムに把握できないことも大きな課題でした。
そこで生産管理部では、現場の作業指示や日報をデジタル化し、リアルタイムに「見える化」することの検討を始めます。しかし、実際に検討に着手すると、大きな壁にぶつかりました。
生産管理部のK氏が当時を振り返りました。
「当初は現行システムを少々手直しすればいいと考えていました。ところがシステムを開発した既存ベンダーに改修の見積もりを取ったところ、想定以上の高い金額を提示されました。当時の上層部は大がかりな新規の設備投資やシステムの見直しなど、コストや時間がかかることには消極的だったため、システム改修は認められなかったのです」
K氏ら生産管理部のメンバーは、どうしたらなるべく費用をかけず短期間でデジタル化を実現できるかディスカッションを重ねる日々でした。
課題のポイント
- 作業指示書や日報などの紙文化が現場に残っており、正確な工数や進捗の把握ができなかった
- コストや時間がかかる設備投資やシステム見直しに対しては厳しい社内環境だった
- 現行の生産管理システムは設計資料が残っていないため、機能追加や改修が困難だった