SCMパッケージの生産管理システムに死角!現場運用との差異でトラブルが…
最小のコストと開発期間で最適システムを実現したパッケージソフトウエアとは
生活用品メーカー W社 情報システム部
背景
家庭用から業務用までの各種ブラシを製造販売するW社では、生産管理システムにSCMパッケージを使っていた。しかし現場では、在庫の的確な把握に関して課題を抱えていた。
課題
製品の保管場所を個別に把握・管理したいが、既存システムの改修は負担が莫大で…
製品の保管場所を個別に把握・管理したいが、既存システムの改修は負担が莫大で…
W社の生産管理システムでは、在庫数を把握するという大まかな管理は行っていましたが、部品や製品個別の入出庫は管理していませんでした。なぜなら、管理対象物はマスター登録されている所定の場所に保管されるという想定のもとで管理していたためです。つまり、リアルタイムでは在庫把握ができていませんでした。
当時の状況を情報システム部主任のK氏は以下のように話します。
「実は現場では、製品を保管しようとしたら所定の棚がいっぱいで、仕方なく空いている別の棚に置いてしまうということがよくありました。そのため、いざ部品や製品を取り出そうとしたときに保管場所が分からないというトラブルがたびたび発生していました。要するに、システム上と現場では在庫場所の認識に違いがあったのです」
この課題を解決すべく、K氏は生産管理システムに製品を個別に把握する在庫管理機能を追加しようと考えました。しかし、SCMパッケージへの機能追加や改修を行おうとすると各機能に対し関連項目の洗い出しや改修の要不要の判断、整合性の担保などにより、莫大なコストと開発期間がかかることが分かったのです。そこで、生産管理システムとは別に在庫管理システムだけを新規開発することも検討して複数社から見積を取りましたが、やはり同様にコストと開発期間がかかってしまうということでした。
「できるだけ費用を抑え、短期間で在庫管理を適正化する方法はないものか…当時は日々頭を悩ませていました」(K氏)
課題のポイント
- 現行の生産管理システムには製品の保管場所を個別に把握する在庫管理機能がなかった
- 現場では製品の保管場所が分からなくなるトラブルが発生していた
- 生産管理システムへの機能追加や在庫管理システムの新規開発には莫大なコストと時間がかかることが分かった