新在庫管理システム稼働後に、今度は供給面で新たな難問が発生
加工装置の材料・消耗品切れによる工程停滞を防止できた現場のプロの提案とは!
重電系電気機器メーカー V社 生産管理部
背景
親会社の意向により、新在庫管理システムが稼働して部品在庫の管理が強化されたV社。その後、製造現場では加工装置への材料や消耗品の供給に関する新たな問題が発生し、その改善に苦慮していた。
課題
装置への材料供給タイミングは作業者の勘と経験頼り、世代交代による装置停止が頻発
V社では、材料や消耗品を加工装置にまとめて投入して自動的に組み立てを行っていました。「実はこのまとめて投入できるという利便性の裏に、課題が隠れていたのです」と語るのは、生産管理部のO氏です。
「材料等をどのタイミング、頻度で投入するかは、その工程を担当する作業員の経験と勘に頼っているのが実態でした。ところが、作業者の世代交代が進み、経験が浅い作業者が担当するようになると装置への材料等の供給が滞り、装置停止という事態がたびたび起こるようになったのです」(O氏)
この装置には、材料や消耗品切れが近づくとアラームを点滅させるパトライトが備え付けられていました。しかし、アラームが見落とされることもあり、装置停止が長時間に及ぶこともあったのです。
O氏は、この状況には属人的な問題もあると考え、オペレーターに対する教育や指導を強化することで解決しようとしていました。ところが、せっかく講習を行っても、異動や退職による入れ替りが発生するため、個人のスキルアップだけでは問題を解決できませんでした。
一向に進展のないこの状況を危惧した上層部は、O氏たちにこの問題をシステム的に解決するように指示を出します。
「自分たちだけでは対応しきれないと判断し、情報システム部に協力を仰ぎましたが、彼らも新しい在庫管理システムのサポートなどで手一杯で、この問題にリソースを割くことができません。そのため、すぐに何かしようにもどうすることもできないという状況でした」(O氏)
先の見えない状況と上層部からの指示に、O氏は焦るばかりでした。
課題のポイント
- 加工装置への材料・消耗品の投入タイミングは、作業員の経験と勘に頼っていた
- 世代交代により、経験が浅い作業員による材料切れや消耗品切れが頻発した
- 材料・消耗品減少を知らせる装置からのアラームも見落とされがちだった
- 問題解決を任された生産管理部も、協力要請を受けた情報システム部もリソースが不足していた