ホワイトボードを利用した手作業での配送業務はもう限界…
現場による現場のためのシステム化こそが最適解だった
電子機器メーカー G社 部品配送センター
背景
生産に必要な部品・材料を、オンデマンドで在庫を持たずに製造拠点へ供給するシステムを構築したOA機器製造のG社。しかし、部材を仕分けする部品配送センターの業務はある理由から限界寸前だった。
課題
システム化に取り残された配送業務 自力でシステム化に取り組むにはノウハウがなく…
「業務を逼迫させていた原因は、そのほとんどを手作業で行っていたことでした」
G社部品配送センター長のS氏は、当時を振り返りそう切り出しました。そのころのG社では、生産管理や部材調達のシステム化は進んでいたものの、部品配送センターのシステム化までは手が回らない状況だったのです。
「部品配送センターは、部品メーカーや外注先から届いた荷物を受け取り、それを製造拠点ごとに分配して発送することが主な業務です。その日に入荷予定の荷物をホワイトボードに記載し、ボード上で物流会社を振り分けていました」(S氏)
ホワイトボードへの転記ミスや内容の記憶違い、判読間違いなどの人為的ミスがたびたび発生し、誤配送や再配送などに多くの時間を費やしていました。加えて、特定の物流会社へ発注が集中していると分かっていても、システム化されていないことが参入障壁となり、新たな物流会社を追加することが難しかったのです。
このような状況で配送業務は限界に近づいていました。S氏たちは「自力でやるしかない」とシステム化を決断。情報収集に乗り出しましたが、センター内にITについての知見を持った人材は一人もおらず、どこから手をつければよいのか途方に暮れるばかりでした。
課題のポイント
- ホワイトボードに手書きされた内容で配送の振り分けをしていたため、人為的ミスによる時間ロスが多かった
- システム化されていないため、新たな会社を追加して物流を最適化することが困難だった
- 現場は自力でのシステム化を決断するが、知見がなく手をこまねいていた