生産管理システムのモダナイゼーションに思わぬ壁が…
試作・テスト・修正をその場で実行!現場の懸念を払拭する決め手となったツールとは?
電子部品メーカー A社 情報システム部
背景
メインフレームで稼働中の生産管理システムのハードウェアサポート終了を契機に、将来性を考慮してエコで長寿命なシステムにモダナイゼーションすることになったA社。早速、情報システム部で要件定義などリプレイスの準備に取り掛かったところ、現場から「待った」の声があがった。
課題
システムUIの変更に現場が猛反対!上層部からは早急なリプレイスを求められ…
情報システム部が提示したシステムリプレイス案に対して、製造部が指摘した問題点は、ユーザーインタフェース(UI)に関するものでした。A社では従来、生産状況は現場作業員がホストに接続された端末に入力していました。これに対してリプレイス案では、HTML+JavaScriptでWebベースのUIを構築することになっていたのです。
「現場の作業員は既存システムのUIに慣れており、使い勝手にも満足していました。そのため、UIの変更で使い勝手が悪くなることや、イレギュラーな事態が発生した際に対応が遅くなることを強く懸念したのです」
そう語ったのは、このプロジェクトのリーダーで情報システム部マネージャーのK氏です。
K氏たちは、なるべく既存システムに合わせたUIにすると説明したものの、具体的なイメージを現場に示すことができませんでした。しかも、プロジェクト内でのシミュレーションでは、UIをWebベースにすると、現行システムよりレスポンスが遅くなることも分かりました。
「製造部の懸念が、まさに現実のものとなりそうだったのです」(K氏)
一方で、会社としてはSDGsへ貢献していることをアピールするため、長く使えるエコなシステムにリプレイスしたいとの思惑がありました。K氏たちプロジェクトのメンバーは、現場と上層部の両方から強い要望を受け、解決策が見出せぬまま、時間ばかりが過ぎていきました。
課題のポイント
- UIをWebベースにする案に対し、現場から使用感とレスポンスに対する懸念を指摘された
- 現場を納得させるUIの具体的イメージを提示できなかった
- 上層部からの要望で、リプレイス後は長く使えるエコなシステムにする必要があった